色図鑑
国の色
ベトナム

🇻🇳 ベトナム (Vietnam)

ベトナムは、南シナ海に面した東南アジアの国です。国土の大部分は山地や丘陵地帯で、農業や漁業が盛んです。また、古くから多くの民族が暮らしており、それぞれの文化や伝統が色濃く残っています。そんな多彩な要素が混ざり合うベトナムのカラフルな印象を、3つの色で表現してみたいと思います。

フローラルピンク (Floral Pink)

ベトナムには、様々な花が咲き誇ります。中でも、ハイニン・マウンテンやサパなどの山岳地帯には、色鮮やかな花々が自生しています。その代表的な花といえば、ベトナムの国花「ハナミズキ」でしょう。ピンク色の可愛らしい花弁が素敵ですが、その一方で、厳しい自然環境に耐え抜く強さも併せ持っています。そんなハナミズキの花をイメージしたカラーが、フローラルピンクです。

ブルー・オブ・ハノイ (Blue of Hanoi)

ベトナム北部の首都、ハノイの街を象徴する色といえば、ブルーです。今から150年ほど前、フランスから植民地支配されていた時代に、住民たちは白壁に青い木製の窓枠を付けた建物に住んでいました。そのため、ハノイの旧市街には、このブルー色の窓枠が多数残っています。また、ハノイ周辺には、青く輝くハロン湾があります。ハノイの街並みや海岸線をイメージさせる、清涼感のあるブルー・オブ・ハノイを、ベトナムの色として紹介します。

ゴールデンイエロー (Golden Yellow)

ベトナムには、かつて陶磁器、呉須瓷や竹織物、漆器などの美しい工芸品が作られていました。そのうちの一つ、ベトナム式漆器の代表的な色といえば、高貴な光沢を持った黄金色の漆器が挙げられます。また、ベトナム戦争で米軍の侵攻に対して国民が総力戦を挑んだ際、金属を使った兵器は繰り返し利用されるため、空き缶や短剣などを溶接し、その際に発生した溶けた金属が熱で変色した「ジャンクメタルアート」が流行したこともあります。このように、金属色によって表現される勇ましさや美しさが込められたゴールデンイエローは、ベトナムの力強いイメージを表す色です。

まとめ

ベトナムは、美しい自然と多彩な文化が共存する国です。その中でも、花や青い窓枠、黄金色の工芸品など、特に印象的な要素を取り上げ、フローラルピンク、ブルー・オブ・ハノイ、ゴールデンイエローの3つのカラーで紹介しました。それぞれの色には、ベトナムの魅力がぎゅっと詰まっていると思います。