色図鑑
人物の色
フィリップ2世

フィリップ2世 (フェリペ2世)

フィリップ2世は、16世紀のスペイン国王であり、世界史上でもっとも影響力のあった国王の一人です。彼は「王と神の下にある唯一の国家」と称し、厳格なカトリック主義を信仰し、スペイン帝国を築きました。そのため彼の統治期間は「フェリペ・エル・プラウマード(Felipe el Prudente, 賢明なるフェリペ)」と称されることもあります。

グラナダ・レッド

フィリップ2世は、スペインにおいて国教とすべきカトリック教会を支持しました。実際、彼は異端審問裁判所を設立し、多くの異端者やユダヤ人、ムーア人を追放しました。また、彼は自身の統治下にあるグラナダ地方の住民を強制的にカトリシズムに改宗させたことでも知られています。そのため、彼を象徴する色として「グラナダ・レッド」がふさわしいでしょう。

カルメル・ピンク

一方で、フィリップ2世は芸術や文化にも熱心で、彼の統治期間は「スペイン黄金時代」とも呼ばれています。それは芸術・文化の発展だけでなく、植民地の発展や貿易の拡大によってスペイン経済が急激に成長したことも大きな要因です。その中でも、彼はカルメル修道会を支援し、カルメル修道会の制服の色でもある「カルメル・ピンク」をフィリップ2世のイメージカラーに選びます。

アズール・ブルー

最後に、フィリップ2世はスペイン帝国の大海軍を築いたことでも知られています。その中でも、彼はスペイン領ネーデルラントを拠点にオランダやイングランドなどの新興勢力に挑戦し、1588年には無敵艦隊を率いてイングランドを攻撃したことが有名です。彼の無敵艦隊の旗は「アズール・ブルー」の背景色であったため、フィリップ2世を象徴するカラーとしてアズール・ブルーが選ばれます。

まとめ

フィリップ2世は、カトリック教会の信仰と芸術・文化、そして強大なスペイン帝国を築いた国王でした。「グラナダ・レッド」のようにスペイン帝国を築く過程で、非常に厳しい面もありましたが、「カルメル・ピンク」のように文化的な側面も持ち合わせていました。また、「アズール・ブルー」のようにフィリップ2世の無敵艦隊の旗の背景色としても知られています。彼の統治期間において、スペインは諸外国から畏敬の念を抱かれる存在となりました。